カジカ
≪不細工だが、とにかく旨い!カジカ≫
カジカ、その名を聞いたことはあるだろうか。名前と魚の姿が一致しないという方も多いがその味は絶品級だ。不細工な見た目の魚は旨いというが、まさにそのとおりだ。
あだ名というのだろうか"なべこわし"とも呼ばれているカジカは、あまりの旨さにほとんど地元北海道で消費されてしまい、海を渡って本州に出回ることはほとんどなく、もし出回ったとしても極まれなのだとか・・・!?しかもなんとも不細工な見た目から、北海道旅行へきてカジカを目にした本州のお客様からは、気持ち悪いと言われることもしばしば。そこでカジカでダシをとった汁物を食べさせるとその見た目と旨さのギャップに本当に驚かれる。
カジカ
魚へんに秋と書いて鰍(カジカ)と読むのだが、決して秋時期のみ水揚げが行われるわけでもない。北海道の寒い期間に水揚げが行われている。 北の台所、北海道の魚はなんでも旨いと多くの方に言われますが、なかでもこのカジカは別格だ。水揚げ量やスーパーなどへ出回ることが少ないために、食べたことがあるという方も少ない。
しかもその姿や見た目から、どうしても敬遠されがちなカジカ。そんなカジカの本当の旨さをこの機会にぜひ多くのお客様に知っていただきたい!そんな思いで今回は、道産子しかしらない絶品級のカジカを探してきた。こんな旨い魚を食べたことがない方々には申し訳ないが、道民はカジカを知らないと言えば「おまえはどこの者だ?」と聞かれることもしばしば・・・。
その不細工な姿や見た目からは想像もつかないようなプルップルの上質な身には、コラーゲンがたっぷり。女性にはぜひオススメの一品だ! 道民は寒い冬に、このカジカを食べてコラーゲンをしっかり摂り、氷点下の中外で元気に走り回っていることから、よく肌がきれいだとも言われている。
カジカ
北海道に真っ白く輝く雪が舞い始め、気温もどんどん下がっていく11月を過ぎた頃、道民が絶対食べたくなるものが、そう!カジカを丸ごと一匹贅沢に使用したカジカ汁なのだ。魚を使用した鍋料理はだいたい良いダシがでて美味しいと言われているが、その中でもカジカはただ美味しいだけでなく、むしろ他の魚汁とは別格なのだ。
味噌仕立ての汁にするとダシがよく出てもうなんとも文章では表現しにくいような濃厚な旨み、しかしそこまでくどくもない。もうカジカ汁の虜になってしまうような味わいだ。一度食べてみる価値はあるだろう。北海道では冬の郷土料理として多くの方に親しまれている。 ここでポイントになるのが、カジカ汁を作るにあたって調味料として味噌を使用するのだが、ダシ入り味噌を使用してはいけない。やはりカジカのだし汁を純粋に堪能するためにはだし入りじゃない味噌を使用することをオススメする。味噌の量も味噌汁を作る要領で入れすぎると味噌の味が濃くなりすぎてしまうためカジカ本来の濃厚な旨みが損なわれてしまう。ほどほどに好みで味見をしながら調整していくと美味しい汁ができあがる。
後ほど簡単にカジカ汁の作り方を紹介しますね。 これほど旨い汁を皆で囲むと会話もはずみ、身も心もポカポカになること間違いなし。
カジカ
奇妙な見た目のカジカは別名"鍋こわし"と北海道民の一部からは呼ばれている。な、なべこわし?!と思われる方も多いこの魚は、なぜ鍋こわしと呼ばれるようになったのか。
それはその魚で鍋を作ると、その味はとても美味しく、どんな魚よりも旨いと大絶賛をする人が多い。そんなあまりのおいしさに皆が競争でもするかのように競って鍋をつついて食べ、最後には鍋を壊してしまうということからその異名がついたと昔から言い伝えられてきた。 ちなみにカジカというと本州のほうではあまり知られた魚じゃないだけに、川で泳いでいる魚?だとか、アンコウの仲間?などと様々な話がとびかっているようだが、北海道でいうカジカは、トゲカジカのことで海水魚である。
カジカ
お世辞にもきれいな魚とは言えないカジカ。一体どこを見て鮮度を見極めたら良いのだろうかと思われる方も多いので、簡単に鮮度の見極め方を紹介しようと思う。
- 魚を触ってみて硬いものを選ぶ
- 粘液がしっかりと粘っているもの
- エラが鮮紅色のもの
カジカの鮮度の見極め方はたったの3つだけ。 魚の表面にネバネバとした粘液をまとっているのだが、この粘液によって鮮度を見極めると知っている方も少ないはず。見た目とは裏腹に美味しい魚なので、気持ち悪がらずにぜひ自ら触って鮮度を確かめてみるのも良い勉強になるだろう。
カジカ
魚は体に良いと言われていますが、中でもミネラルや鉄分はとても豊富に含まれている。貧血や冷え性に効果的ということで、寒い北海道の冬には欠かせない魚として人気を集めている。鉄分を補いたいけどレバーは苦手だよ、なんていう方には本当にオススメ。鉄不足になると貧血や冷え性の原因にもなるので、不足している鉄分を上手に補うためにカジカはオススメだ。 よく百貨店で健康食材として珍しい野菜を売り出している広告を目にするが、カジカも同様に珍しい魚で健康生活、などと売り出してみるのも良いかもしれない。
他にもビタミンB2とカルシウムも含まれているので、骨や歯に良いとされ、味だけでなく健康面から見てもとても体に良い食材として、北海道民は誰もがこのカジカを愛して止まない。
カジカ
鮭や秋刀魚などの魚とは少し違った姿をしているカジカは、頭がデカく見るからにどうやってさばいたらよいのかプロの料理人でもさばけないと言う人もいるぐらい。ここで簡単なカジカのさばき方を簡単に紹介します!
- 魚の表面を覆っている粘液をとる。水をかけながらタワシでこすり、徹底的にとる。この粘液とりを怠ってしまうと鍋にしたときに苦味になってしまうので、しっかりとる。
- 腹側のエラの付け根を切って、左右斜めに包丁を入れて頭を落とす。
- エラをとり、頭を半分にわる。更に鍋に入りやすいサイズに分割しておく。
- 腹側胸ビレの間を切って、肛門から皮だけを切るようにして腹を開く。
- 卵、胃、腸、肝臓、心臓と内臓をバラす。内臓のうち腸と心臓は食べないので破棄する。肝臓は胆のうを潰さないように慎重に切り離す。
- 肝臓はザルなどにのせて余計な水分を落としておく。
- 胃を開いて粘液とりと同様に、タワシでゴシゴシと丁寧に洗い、適当な大きさに切る。
- 胃と卵を薄い食塩水に20分程浸しておく。20分たったら水をきる。
- 胸ビレと本体を切り離し、三枚に下ろす。身・中骨は適当な大きさにブツ切りにする。
- こうしてさばいたカジカを汁ものや唐揚げにして食べる。
カジカ
~冬の北海道郷土料理!カジカ汁の簡単な作り方~
材料
カジカのブツ切り・大根・人参・ジャガイモ・ネギ・豆腐・味噌
- はじめに、鍋に人参、ジャガイモ、大根、ネギを入れて火にかけておく。ほどよく煮えてきたら時間差でカジカのブツ切りを投入する。
- しばらくすると汁が白く濁ってくるのだが、これがダシ汁。徐々になんともいえない良い香りが漂ってくる。
- ほどよく煮えてきたら豆腐を入れて味噌をとく。この味噌は好みの分量を入れるので味見をしながら少しずつ・・・。
- 出来上がり~☆
★ポイント★
あまり上品に作らないで、あえて田舎風に作るのがカジカ汁のポイントでもある。 この汁を一口食べた者は「想像以上の出汁が出ていてすごく美味しい」と、皆が言う。上手に味を表現するのは難しいのだが、とにかくめちゃくちゃ旨い!汁全体がカジカの骨や皮から出たエキスで満たされている。
カジカ
寒い時期、北海道のスーパーではカジカのブツ切りがパック詰めで販売されているが、やはりカジカ汁を作るときはまるまる1匹全部使うに限る!皮や骨から十二分に出たダシと旨味は、スーパーのブツ切りでは味わえない。 さらには肝がこれまた旨い!ねっとり舌に絡みつく濃厚なコク・・・これは"海のフォアグラ"とでも言って良いのではないだろうか。
そして卵!これがまた良いアクセントになっている。プチッ、プチッ、ぷつ、ぷつ、とした食感は最高だ。 身質自体はプリプリとしていて良い食感。他の白味魚と似ている部分もある。 こんな絶品級の旨味をもっているカジカ、一度食べて損はないだろう。むしろやみつきになるかもしれない。 鍋料理を主に提供している飲食店様にはかなりお勧めの北海道産カジカ。見た目ははっきり言って自慢できるほどのものではないが、目を閉じて食べた後の味わいはそりゃあ格別だ。
お客様に喜ばれる「海産物」であるために
これからも皆様の「満足」を追求し続けます。